2011年8月18日木曜日

GEWURZTRAMINER

WHITE
2007
GEWURZTRAMINER
CUVEE THEO
DOMAINE WEINBACH
KAYSERSBERG
RESTAURANT IN ALSACE

とにかくアルザスワインは不勉強で正直ドメーヌ名をほとんど知らない
その中でほぼ唯一前から知っているのがこのWEINBACH
その昔日本のデパートで恭しく飾られ、非常に高い値段で売られていたからだ
知っているといってもその程度

ただこちらのドメーヌを回るうちに、このドメーヌが非常に尊敬を受けていることが分かってきた
トラディショナルという意味で、このWEINBACHとHUGELははずせないらしい

ピノグリのものもあったが、前菜がフォアグラということもあり、ゲヴェルツを選択
さすが名門
飲んだ瞬間に、明らかに透明感があるのが分かる
雑味は全くなし
アタックは強烈で凝縮感とかなりの甘みを感じる
ただし、それが抜けるとさわやかな酸味が後味として残る
もういっぱい飲みたくなる

短い時間の体験で言うことが正しいかわからないが、この「もういっぱい飲みたくなる」という要素が実に重要だと思う
甘口のワインはどうしても数杯のむのが苦しくなってしまう
アルザスのワインは最後にしっかりとした酸味を残すことで、飲み手を次の一杯へいざなう
そこがソーテルヌのワインとは全く異なるところだ

この銘柄は完全に記憶に残った
ワインを覚えるにはこうして一歩一歩経験値を上げていくより方法はない

明日はどのワインを飲もうか
今から楽しみである

2011年8月17日水曜日

RIESLING SCHOENENBOURG


WHITE
2007
RIESLING SCHOENENBOURG
GRAND CRU
VENDANGES TARDIVES
DOMAINE DOPFF & IRION
RIQUEWIHR
HOUSE IN RIQUEWIHR

知り合いに勧められていたドメーヌ
このドメーヌの本拠地であるリクヴィルは、アルザス・ワイン街道の中でも「真珠」と言われるほどワイン(特にテロワール)が優れた場所と称さされる

アルザスのワインは三つのAOCがある
AOC ALSACE、AOC ALSACE GRAND CRU、そしてAOC CREMANT D'ALSACEのみ
中でもAOC GRAND CRUは限られた51の認証畑から取れた4種類の葡萄(リースリング・マスカット・ピノグリ・ゲヴェルツトライミネール)から生産される

そしてGRAND CRUの中でも、遅摘みの葡萄から作られたものがVANDAGES TARDIVES、そしてさらに貴腐葡萄から厳選されて作られた甘口ワインが、SELECTIONS DE GRAINS NOBLESとしてカテゴライズされている

このワインは、リクヴィルの街に面した南向きの急斜面にあるGRAND CRUの畑からつくられたもの
GRAND CRUの畑の中でも随一といわれるこの畑は、まさに葡萄栽培にとって最高のロケーションであろう
百聞は一見にしかずで、見ればもうワインの質が想像できるような、そんな立地だ

ワインはエレガント
色は濃い黄金色
最初にリースリングの甘みで口が満たされる
透き通った、何ものにも似ていない甘み
ワインがのどを通ったあと、舌に残るフレッシュな酸味
昔食べたレモンの砂糖漬けのような、甘いが酸っぱい感覚
この絶妙な感じは、ソーテルヌやトカイのような甘口ワインとは一線を画する

これまで、アルザスのワインをあまり飲んでこなかったことを後悔させる一品

RIESLING SHLOSSBERG

WHITE
2009
RIESLING SHLOSSBERG
ALSACE GRAND CRU
DOMAINE ANDRE ANCEL
KAYSERSBERG
RESTAURANT IN KAYSERSBERG

英語の分かる店のおじさんにLIGHT & DRYとだけお願いして選んでもらう

よく冷やされて運ばれる
実にスッキリとしたリースリング
酸味が豊かで、引き締まっており、きちんと冷やして飲むのがいいワインだろう
ただ、酸味の中にもリースリングならではの心地よい甘味を見出すことができる

夏の青空の下で飲むのに最適なワイン

2011年8月16日火曜日

CREMANT DU JURA

SPARKLING ROSE
NV
CREMANT DU JURA
BENOIT BADOZ
LONDON HOME

イズリントンにあるワイン屋でかったもの
店員のおすすめ

最近クレマンにはまっている
クレマンは、シャンパーニュと同じ製法で作られる、シャンパーニュ地方以外のスパークリングワイン
ブルゴーニュに行って以来、クレマン・ド・ブルゴーニュをよく買っていたが、今回はジュラのものを試す

泡は程よく繊細
クリームのよう、というまでにはかなりハードルがあるが、この値段にしては上出来
うすいピンク色が飲む意欲を掻き立てる
とてもライトなワイン
酸味が若干たっている感じがするものの、飲みやすい
複雑さやトースト香等はないので、夏に外で冷やした状態で飲みたい

2011年8月15日月曜日

VEGA SICCILIA UNICO

RED
1990, 1991, AND 1994
VEGA SICCILIA UNICO
RIBERA DEL DUERO
LONDON HOME


言わずと知れた、スペイン最高のワイン、ヴェガ・シシリア
このワインを飲まずして、スペイン・ワインを語ることはできない
次々と生まれるモダン・スーパー・スパニッシュも、結局はこのワインを目標にしているのだ

前回のスペイン田舎旅行でこのワインと出あった
昔読んだスペイン本の中で「ウニコはスペイン最上級ワインであるが、実はこの上に最上級の中の最上級と言うべき”Unico de Unico”というワインが存在する
そのワインは少数生産で王族や、ごく親しい仲間に回るだけで、ほとんど手に入れることはできない」という趣旨の記述がなされていた
それが頭から離れず、スペイン旅行では常にそれを追い求め探していたのだ

そもそもVega Sciliaはリベラ・デル・デュエロの「最高」の畑から最高の葡萄を抽出し、「最高」のシニア・ワイン醸造責任者が作る少数生産のワイン
良い年にしか作られず、ヴィンテージものであっても、ヴィンテージがとびとびになる
そしてヴェガ・シシリアが作られた年の、「最高」のロット(樽)はボデガ(シャトーのスペイン語)において保存される
時を経て、どんどん熟成が重ねられ「最高」の状態になったと判断したところで、ボデガのシニア・テースターが、3年のビンテージを「最高」の比率でブレンドし、世に出す。この時もその後30年の味の変化を読んでブレンドするという

これだけで、このワインが「最高の中の最高」と言われる所以がわかる

このワインは2007年リリースの最新ワイン。10,000本から12,000本のみがリリースされる
これが何を意味するのかというと、毎年は作られないワインから3年を選び最適なときに出すから、
一回のリリースは10,000本であっても、5-7年に一度しかリリースされない、ということである。5年として年間2,000本と等しい

さてワイン

抜栓してわかるこの芳香
前のTOROとは明らかに違う。色は上質なルビー色。光は若干通す程度か
液面はキラキラと輝き、艶やかさがある
テンプラリーニョなのに、百花の香りがする。まさに花畑。ブルゴーニュのような明るい花畑ではない
山の奥にひっそりある、紫や青、そして深い赤色の花で埋まった花畑
ありがちないぶした煙草の葉のニュアンスはない
一口舌に乗せると、その花の香りが鼻腔を刺激し、感動を誘う
あまりに複雑な味。ウニコがそもそも複雑さ、荘厳さを持つワイン
その最高のロットが3年分ブレンドしてあるのだから、それも当然のこと
余韻は長い。ただ長すぎはしない。樽香も上品につけてある

「こんなワインはこれまで一度も経験したことがない」と素直に言えるワイン

ワインというものの奥深さをまた一つ味わうことが出来た
今回味わえなかった人は、是非スペイン旅行で探してほしい
ロンドンでも探せばあるだろうが、できればどこかの田舎町のワイン屋でひっそり眠っているこのワインを探して買ってほしい

もう一度表現すると、このワインはまさに「最高の中の最高」である

まさに1年前の日曜日に、98年のUnicoを飲んでいるので参考まで

http://kotaro-wine-diary.blogspot.com/2010/06/vega-sicilia.html

SAN ROMAN

RED
2004
SAN ROMAN
TORO
LONDON HOME


昔スペインはサン・セバスチャンにある3ツ星レストラン「アルザック」を訪問した時に飲んだワイン

http://www.arzak.info/index.html

http://www.bodegasanroman.com/

シニア・ソムリエに、「値段は気にしないので、お勧めのワインを一本」と注文
もう10年近く前になるだろうか。。。
相当背伸びした注文だったと思う
さすがは、有名レストランのシニア・ソムリエ。多分その「背伸び」を完全に見透かしていたのだろう
値段的にはさほど高くないこのワインを出してきた
スペイン料理を引き立てる素晴らしいワインだった
あの時の感動をもう一度、とこのワインを選択した

このワインを「赤」にカテゴライスするのは躊躇する
漆黒の黒ワイン。
光は一切通さない。D.O.TOROのモダンを代表するような作品
凝縮感を究極までに高め、タンニンを上手に溶かしこみ、地ブドウのやや甘みのある上品さをうまく引き出している
余韻は永遠に続くのかと思うほど長く、飲むインターバルが自然と長くなる

期待を全く裏切らないすばらしいワイン
思い出は、たいてい過剰に増幅されている場合が多いので、現実に向き合うとがっかりすることになるのだが、このワインは違った

見つけたときは迷わず買うべし

2011年7月2日土曜日

CHATEAU MONT PERRAT

RED
2006
CHATEAU MONT PERRAT
LONDON HOME

ワイン会の後輩が推薦、購入したワイン

もう7-8年前にこのワインを飲んだことがある
もちろん神の雫の影響

クイーンのワインといわれてもピンとは来ないが、いいワインであることは間違いない
相当の凝縮感、はっきりとして樽香、タンニン、長めの余韻
2001年、2003年ものと比べても、さらに「洗練度」が高くなった気がする

いろいろ言う人がいるかもしれないが、この値段でこのワインのクオリティを出すことについて、脱帽せざるをえない

お勧めのワイン

MARSANNAY

RED
2004
MARSANNAY
DOMAINE LOUIS LATOUR
LONDON HOME

ドーバーの対岸カレーで買ったワイン
バーベキュー第二弾

ルイ・ラトゥールのワインは、味が安定しているため、期待はずれにならないため、ワインを知っている人からそうでない人まで、様々な人が集まっているときに出すのに適している

複雑味はないものの、ブルゴーニュらしい味わい
イチゴの香りと心地よい酸味を堪能

MUGA

ROSE
2010
MUGA
LONDON HOME

スイスコテージにあるワイン屋で購入
バーベキュー第一弾

鮮やかなサーモンピンク色が美しい
ただ、まさに生鮮食品な印象
酸味が強く、少しとっつきにくい
かといって時間の経過で落ち着く感じでもない
好きな人にはおいしいだろう
夏専用、十分冷やして飲むワイン

LOS VASCOS

RED
1985
LOS VASCOS
COLCHAGUA
LONDON HOME

試飲をたくさんさせてくれるワイン屋で購入

このワインは、街のスーパー等でよく見かけるワイン
値段もデイリー級
実際飲んだこともある
なぜなら、このワインは1988年からあのラフィット・ロートシルトの資本が入ったことから、ボトルにあの5本の矢がしっかり刻印されており、興味をそそられたからである
ただ印象は深くはなかった記憶がある

このワインが1985年ビンテージであり、ラフィット資本参加前のワイン
ただ、シリーズの中でも下位のワインであり、年数も25年以上経過していることから、すでにピークを超えていると考え、話の種程度のつもりだった

抜栓
当然デキャンタはしない
グラスに注ぐと、なんとも美しいルビー色の液体が踊る
ややオレンジがかってはいるが、見た目はフレッシュさを失っていない
香りは、複雑とはいえないが、深い
もはやアルコールのとげとげしさはなくなっている

口に運ぶと、あまりの驚きに声がでない
なんと優しく上品な味わいなのだろう
目をつぶって飲めば、品質の高いボルドーとの区別がつかない
程よい甘みと上品な渋みが一体となっている
新樽ではなく、古樽の香りがついているようにも思える
雑味は一切ない

このワインは素晴らしい
このワインを今年のベスト10の中に入れておく

翌日の今日、このワインをさらに買い付けに行くつもりだが、前回のヴィルジニー・ヴァランドローの二の舞になるような気がしてならない

http://kotaro-wine-diary.blogspot.com/2011/06/virginie-valandraud.html

本当にはっとするワインに出会うのは年に数回
良い金曜日の夜を過ごすことができた