2011年8月20日土曜日

PINOT GRIS

WHITE
2000
PINOT GRIS
GRAND CRU
VENDANGES TARDIVES
DOMAINE LEON BEYER
HOUSE IN ALSACE

コルマールの近郊の小さな村(エギスハイム)を訪れた時、偶然立ち寄ったドメーヌ
このドメーヌに立ちよっったのは、ディスプレイにバックビンテージが飾られていたから

http://www.leonbeyer.fr/jp/presentation.html

ブルゴーニュにいった時初めて理解したのだが、通常酒蔵にはバックビンテージは置いていない
あっても最近3年くらいのもの
このドメーヌには、80年代のものからを普通においてある
聞くと「昔からやっていて、アルザスでは大きいハウス。保管できるスペースにも余裕があるし、何より多少売らないでおいておいてもやっていける経済力があるから」と単純明快な回答

このアンテナショップ的な店(噴水広場に面した小さなお店)の女性は終始非常に丁寧で愛想が良かった
またどんな貴重なワインでも、どんどん開けてくれる気前のよさがあった

10種類程度飲んだあと、2本購入することを決めたが、一本は80年代でもう一本はこのワイン
本当は持ってかえって寝かしておきたいが、飛行機の制約があるので、ここで飲んでいく決心をした

十分に冷やした状態でいただく
ヴァンダンジュ・タルディヴゆえに強い甘さを想像していたが、飲んでみると酸味がある
もちろんリースリングとは異なるが、確実に酸味がある

今回のアルザス旅行での発見はこのピノグリという品種である
普段はあまり飲まない品種だが、このアルザスワインのピノグリを飲んで以来、一瞬で好きになってしまった
スッキリとした甘さと酸味
毎日飲むと飽きるのかもしれないが、白=シャルドネのようなワインライフを送っている私からすると目からうろこが落ちる体験

10年以上経過しているこのボトルだが、熟成による深みを感じると共に、取れたてのフレッシュさもどこかで併せ持つすばらしいワインに仕上がっている

抜栓してから5時間後に一口飲んだがあまり印象は変わらず
デキャンタは不要だろう

これでアルザス・ワイン旅行は終わるが、やはり来てみて本当によかった
アルザスワインの発見は私にとって、今年最大の発見になっている

もちろん時間の制約があるのですべてのドメーヌは到底回りきれない
また、事前準備があまりにも不足していたため、「見るべき」所を逃しているかもしれない
ただ、人づてや偶然で訪れたドメーヌ訪問はとても楽しかった
今日、最後に訪れたPAUL BLANCKはまさにその典型
コルマールで強烈に勧められてかったワインが、印象的で次の日には訪問するというスケジュールもなにもない旅行
ここで出会った人たちとの交流は意義深いものだった
アルザスのワインへの印象がはっきり残ったし、彼らの取り組みの一面がよく理解できた

もう一度是非訪れてみたい場所
それがアルザスの印象

旅にきて初めて知ったサイトであるが、下記サイトはとても役にたったので最後にリンクを添付

http://www.vinsalsace.com/

日本語バージョンも用意されており、その意欲を強く感じるすばらしいサイト
一見の価値あり

PINOT NOIR

RED
2007
PINOT NOIR
DOMAINE HUGEL
RESTAURANT IN ALSACE

ランチで注文したハーフボトル
今回の旅行で唯一試していない葡萄品種
アルザスの赤は唯一ピノノワールだけ

味はブルゴーニュの赤とは明らかに違うたてつけ
美味しいかといえば、いまいち
確かにピノであるが、ピノに期待する味とはことなり、イチゴの華やかさがない
もちろん、もっと上級キュベを飲めば印象も替わるのかもしれないが、どのドメーヌにいってもピノノワールの上級キュベはオンリストされていない気がした

この一本でアルザスの赤を断じるつもりは毛頭ないが、なにか衝撃的な経験がない限りアルザスは白ワインから選択してしまうだろう


2011年8月19日金曜日

RIESLING SCHOENENBOURG

WHITE
2008
RIESLING SCHOENENBOURG
GRAND CRU
DOMAINE PAUL BLANCK
HOUSE IN FRANCE

Colmarを訪問したときに購入したワイン
偶然入ったワインショップ
フランス全土をカバーしているワインショップだったが、アルザスワインをお願いした
中でも「WeinbachかHugel」のものはないかとたずねると、若い店主は笑顔でこう返してきた

「確かにそのドメーヌの在庫はあるし、いいドメーヌだ。だがもし、それを買うと決めているのでなければ、このワインを勧める」と

こういう店が大好きだ
こういう店でないとネット通販が発達している現代ではワインショップで買う意味はほとんどない
たいていのワインはフランスでなくても、どこかで購入できるのだ

「君が挙げた銘柄は伝統的なワインとしてはトップドメーヌだと思う。しかしモダンな作り手ではこのPaul Blanckを経験してほしい。本来は最低10年寝かせて飲むべきワインだと思う。今飲むなら1時間はデキャンタしてほしい」

もう心は完全に動いていた
値段は3分の1
一元の客なのだから、通常なら高いワインを売りつけておけばいいだろう
その意味で非常に好感が持てる

言われたとおりデキャンタに移した上で冷蔵庫に一時間
なんとも美しいワインに仕上がっていた
これまでは酸味から甘みにかわっていくというワインばかりだったが、このワインは違う
酸味と甘味が下の上で「同時に」存在する
レモン・グレープフルーツなどの柑橘系の酸っぱさとリースリングの甘さ、そしてヴォージュ山脈の地下水脈を想起させるミネラル感

このワインは今回の「発見」に値する
そして、今年のベストバリューワインに入るだろう

アルザス最後の一日は、このドメーヌ訪問でしめくくろう

RIESLING SCHOENENBOURG

WHITE
2009
RIESLING SCHOENENBOURG
VIEILLES VIGNES
GRAND CRU
DOMAINE JEAN DIETRICH
KAYSERSBERG
HOUSE IN FRANCE

カイセルベルグに立ち寄ったときに偶然入ったドメーヌで購入

グランクリュ、それもヴィエーユ・ヴィーニュをデイリーワインの値段で買えるアルザス
ほとんど不当廉売に思えるくらい安い
ただ飲んでみると、やはりうまくつくってあるものと、そうでないものもあるからやはりワインは選ばなければならない

このワインは私にとっては後者
特徴が感じられない
酸味が前に出すぎて、リースリングのほのかな甘さを感じられない
飲んだワインが良くなかったのかもしれないが

結局3分の2ほどを残して終了

2011年8月18日木曜日

GEWURZTRAMINER

WHITE
2007
GEWURZTRAMINER
CUVEE THEO
DOMAINE WEINBACH
KAYSERSBERG
RESTAURANT IN ALSACE

とにかくアルザスワインは不勉強で正直ドメーヌ名をほとんど知らない
その中でほぼ唯一前から知っているのがこのWEINBACH
その昔日本のデパートで恭しく飾られ、非常に高い値段で売られていたからだ
知っているといってもその程度

ただこちらのドメーヌを回るうちに、このドメーヌが非常に尊敬を受けていることが分かってきた
トラディショナルという意味で、このWEINBACHとHUGELははずせないらしい

ピノグリのものもあったが、前菜がフォアグラということもあり、ゲヴェルツを選択
さすが名門
飲んだ瞬間に、明らかに透明感があるのが分かる
雑味は全くなし
アタックは強烈で凝縮感とかなりの甘みを感じる
ただし、それが抜けるとさわやかな酸味が後味として残る
もういっぱい飲みたくなる

短い時間の体験で言うことが正しいかわからないが、この「もういっぱい飲みたくなる」という要素が実に重要だと思う
甘口のワインはどうしても数杯のむのが苦しくなってしまう
アルザスのワインは最後にしっかりとした酸味を残すことで、飲み手を次の一杯へいざなう
そこがソーテルヌのワインとは全く異なるところだ

この銘柄は完全に記憶に残った
ワインを覚えるにはこうして一歩一歩経験値を上げていくより方法はない

明日はどのワインを飲もうか
今から楽しみである

2011年8月17日水曜日

RIESLING SCHOENENBOURG


WHITE
2007
RIESLING SCHOENENBOURG
GRAND CRU
VENDANGES TARDIVES
DOMAINE DOPFF & IRION
RIQUEWIHR
HOUSE IN RIQUEWIHR

知り合いに勧められていたドメーヌ
このドメーヌの本拠地であるリクヴィルは、アルザス・ワイン街道の中でも「真珠」と言われるほどワイン(特にテロワール)が優れた場所と称さされる

アルザスのワインは三つのAOCがある
AOC ALSACE、AOC ALSACE GRAND CRU、そしてAOC CREMANT D'ALSACEのみ
中でもAOC GRAND CRUは限られた51の認証畑から取れた4種類の葡萄(リースリング・マスカット・ピノグリ・ゲヴェルツトライミネール)から生産される

そしてGRAND CRUの中でも、遅摘みの葡萄から作られたものがVANDAGES TARDIVES、そしてさらに貴腐葡萄から厳選されて作られた甘口ワインが、SELECTIONS DE GRAINS NOBLESとしてカテゴライズされている

このワインは、リクヴィルの街に面した南向きの急斜面にあるGRAND CRUの畑からつくられたもの
GRAND CRUの畑の中でも随一といわれるこの畑は、まさに葡萄栽培にとって最高のロケーションであろう
百聞は一見にしかずで、見ればもうワインの質が想像できるような、そんな立地だ

ワインはエレガント
色は濃い黄金色
最初にリースリングの甘みで口が満たされる
透き通った、何ものにも似ていない甘み
ワインがのどを通ったあと、舌に残るフレッシュな酸味
昔食べたレモンの砂糖漬けのような、甘いが酸っぱい感覚
この絶妙な感じは、ソーテルヌやトカイのような甘口ワインとは一線を画する

これまで、アルザスのワインをあまり飲んでこなかったことを後悔させる一品

RIESLING SHLOSSBERG

WHITE
2009
RIESLING SHLOSSBERG
ALSACE GRAND CRU
DOMAINE ANDRE ANCEL
KAYSERSBERG
RESTAURANT IN KAYSERSBERG

英語の分かる店のおじさんにLIGHT & DRYとだけお願いして選んでもらう

よく冷やされて運ばれる
実にスッキリとしたリースリング
酸味が豊かで、引き締まっており、きちんと冷やして飲むのがいいワインだろう
ただ、酸味の中にもリースリングならではの心地よい甘味を見出すことができる

夏の青空の下で飲むのに最適なワイン

2011年8月16日火曜日

CREMANT DU JURA

SPARKLING ROSE
NV
CREMANT DU JURA
BENOIT BADOZ
LONDON HOME

イズリントンにあるワイン屋でかったもの
店員のおすすめ

最近クレマンにはまっている
クレマンは、シャンパーニュと同じ製法で作られる、シャンパーニュ地方以外のスパークリングワイン
ブルゴーニュに行って以来、クレマン・ド・ブルゴーニュをよく買っていたが、今回はジュラのものを試す

泡は程よく繊細
クリームのよう、というまでにはかなりハードルがあるが、この値段にしては上出来
うすいピンク色が飲む意欲を掻き立てる
とてもライトなワイン
酸味が若干たっている感じがするものの、飲みやすい
複雑さやトースト香等はないので、夏に外で冷やした状態で飲みたい

2011年8月15日月曜日

VEGA SICCILIA UNICO

RED
1990, 1991, AND 1994
VEGA SICCILIA UNICO
RIBERA DEL DUERO
LONDON HOME


言わずと知れた、スペイン最高のワイン、ヴェガ・シシリア
このワインを飲まずして、スペイン・ワインを語ることはできない
次々と生まれるモダン・スーパー・スパニッシュも、結局はこのワインを目標にしているのだ

前回のスペイン田舎旅行でこのワインと出あった
昔読んだスペイン本の中で「ウニコはスペイン最上級ワインであるが、実はこの上に最上級の中の最上級と言うべき”Unico de Unico”というワインが存在する
そのワインは少数生産で王族や、ごく親しい仲間に回るだけで、ほとんど手に入れることはできない」という趣旨の記述がなされていた
それが頭から離れず、スペイン旅行では常にそれを追い求め探していたのだ

そもそもVega Sciliaはリベラ・デル・デュエロの「最高」の畑から最高の葡萄を抽出し、「最高」のシニア・ワイン醸造責任者が作る少数生産のワイン
良い年にしか作られず、ヴィンテージものであっても、ヴィンテージがとびとびになる
そしてヴェガ・シシリアが作られた年の、「最高」のロット(樽)はボデガ(シャトーのスペイン語)において保存される
時を経て、どんどん熟成が重ねられ「最高」の状態になったと判断したところで、ボデガのシニア・テースターが、3年のビンテージを「最高」の比率でブレンドし、世に出す。この時もその後30年の味の変化を読んでブレンドするという

これだけで、このワインが「最高の中の最高」と言われる所以がわかる

このワインは2007年リリースの最新ワイン。10,000本から12,000本のみがリリースされる
これが何を意味するのかというと、毎年は作られないワインから3年を選び最適なときに出すから、
一回のリリースは10,000本であっても、5-7年に一度しかリリースされない、ということである。5年として年間2,000本と等しい

さてワイン

抜栓してわかるこの芳香
前のTOROとは明らかに違う。色は上質なルビー色。光は若干通す程度か
液面はキラキラと輝き、艶やかさがある
テンプラリーニョなのに、百花の香りがする。まさに花畑。ブルゴーニュのような明るい花畑ではない
山の奥にひっそりある、紫や青、そして深い赤色の花で埋まった花畑
ありがちないぶした煙草の葉のニュアンスはない
一口舌に乗せると、その花の香りが鼻腔を刺激し、感動を誘う
あまりに複雑な味。ウニコがそもそも複雑さ、荘厳さを持つワイン
その最高のロットが3年分ブレンドしてあるのだから、それも当然のこと
余韻は長い。ただ長すぎはしない。樽香も上品につけてある

「こんなワインはこれまで一度も経験したことがない」と素直に言えるワイン

ワインというものの奥深さをまた一つ味わうことが出来た
今回味わえなかった人は、是非スペイン旅行で探してほしい
ロンドンでも探せばあるだろうが、できればどこかの田舎町のワイン屋でひっそり眠っているこのワインを探して買ってほしい

もう一度表現すると、このワインはまさに「最高の中の最高」である

まさに1年前の日曜日に、98年のUnicoを飲んでいるので参考まで

http://kotaro-wine-diary.blogspot.com/2010/06/vega-sicilia.html

SAN ROMAN

RED
2004
SAN ROMAN
TORO
LONDON HOME


昔スペインはサン・セバスチャンにある3ツ星レストラン「アルザック」を訪問した時に飲んだワイン

http://www.arzak.info/index.html

http://www.bodegasanroman.com/

シニア・ソムリエに、「値段は気にしないので、お勧めのワインを一本」と注文
もう10年近く前になるだろうか。。。
相当背伸びした注文だったと思う
さすがは、有名レストランのシニア・ソムリエ。多分その「背伸び」を完全に見透かしていたのだろう
値段的にはさほど高くないこのワインを出してきた
スペイン料理を引き立てる素晴らしいワインだった
あの時の感動をもう一度、とこのワインを選択した

このワインを「赤」にカテゴライスするのは躊躇する
漆黒の黒ワイン。
光は一切通さない。D.O.TOROのモダンを代表するような作品
凝縮感を究極までに高め、タンニンを上手に溶かしこみ、地ブドウのやや甘みのある上品さをうまく引き出している
余韻は永遠に続くのかと思うほど長く、飲むインターバルが自然と長くなる

期待を全く裏切らないすばらしいワイン
思い出は、たいてい過剰に増幅されている場合が多いので、現実に向き合うとがっかりすることになるのだが、このワインは違った

見つけたときは迷わず買うべし